ワークブースとは|4つの種類と、時間貸しと自社設置のどちらを選ぶか
ワークブースという言葉は、いま2つのまったく違うものを指しています。ひとつは駅や商業施設にあって15分単位で借りて使う個室であり、もうひとつはオフィスに買って置く家具としての個室です。検索するとこの2つが混ざって出てくるため、調べ始めた段階で混乱しやすくなっています。
このページではまず言葉の定義と種類を整理し、そのうえで借りて使うのと自社に置くのはどちらが向くのかを、費用の構造と法令上の扱いから判断できるようにします。当社は木製ワークブースを販売している立場ですが、借りたほうが合理的なケースもはっきり書きます。
1. ワークブースとは何か
ワークブースとは、周囲の視線と音をさえぎり、1名から数名が集中作業やWeb会議を行うための区切られた小空間です。オフィス家具として設置するものと、時間単位で貸し出されるものの両方がこの名前で呼ばれています。
1-1. 法令では「可動式ブース」と呼ばれています
消防の分野には、この製品を名指しした定義があります。消防庁の通知「可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて」は、天井および壁により囲われ、防火対象物の床や壁に固定されていないブースを「可動式ブース」と定義しており、工具などで簡単に取り外せるものはここから除かれます[1]。
この「建物に固定しない」という点が、ワークブースを工事と切り離している理由です。造作の間仕切りをつくれば内装工事になりますが、可動式ブースは什器として搬入するため、搬入も設置も工事ではなく家具の納品として進みます。
1-2. 会議室・パーテーションとの違い
| 比較対象 | ワークブースとの違い |
|---|---|
| 会議室 | 建物の区画そのもの。増やすには内装工事と原状回復が必要で、予約制のため15分だけ使う用途には向きません |
| パーテーション | 視線はさえぎりますが天井も扉もないため音は素通りします。Web会議の声は周囲に届きます |
| ワークブース | 扉と壁があり、工事なしで設置でき、移設もできます。遮音の程度は製品によって差があります |
1-3. 呼び方が多いのはなぜか
この製品には業界で統一された呼び名がありません。メーカーごと、用途ごとに違う言葉が使われるため、調べ始めた方が最初につまずくのがここです。次のとおり、ほとんどは同じものを指しています。
| 呼び方 | よく使われる文脈 |
|---|---|
| ワークブース | 総称として最も広く使われます |
| テレワークブース/テレカンブース | 在宅勤務のほか、駅や商業施設で時間貸しされる個室を指すこともある呼び方です |
| web会議ブース/フォンブース | 通話と会議の用途を強調した呼び方です |
| 集中ブース/ソロワークブース | 一人で作業する用途を強調した呼び方です |
| 個室ブース | 天井まで閉じたタイプを指すことが多い呼び方です |
| 可動式ブース | 消防法令上の呼称です。1-1のとおり定義があります |
一般名称と製品名は分けて考えてください。テレキューブ、WORK POD、CONBOX、そしてWOOBOは、いずれも各社の製品名であってカテゴリの名前ではありません。製品ごとの寸法と価格は主要6製品の比較に並べています。
2. ワークブースの4つの種類
形状による分類は、おおむね次の4つに整理できます。天井があるかどうかが、遮音性能と法令手続きの両方を分ける境目です。
| 種類 | 天井 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| フルクローズ型 | あり | 機密性の高い商談、採用面接。遮音は最も有利 |
| 天井開口型 | なし | Web会議、集中作業。換気と消防の確認が軽い |
| セミクローズ型 | 一部 | 短時間の通話、1on1。圧迫感が少ない |
| オープン型 | なし | 吸音パネルで囲う簡易型。視線のみ遮る |
WOOBOは天井開口型で、上部が開いているため完全な密閉にはなりませんが、その代わりに換気と消防の扱いが軽くなります。どちらが有利かは用途次第のため6つの軸での比較に整理しており、製品ごとの寸法と価格を並べたものは主要6製品の比較にあります。
3. 借りて使うか、自社に置くか
ここが最初の分岐です。同じ「ワークブース」でも、時間貸しと自社設置では費用のかかり方がまったく違います。
| 観点 | 時間貸しで借りる | 自社に設置する |
|---|---|---|
| 費用 | 使うたびに発生。人数と頻度に比例して増え続けます | 初期に一度。以降は原則かかりません |
| 場所 | 駅・商業施設など外出先 | 自社オフィス内 |
| 使える時 | 空いていれば。繁忙時間帯は埋まります | いつでも |
| 資産計上 | 経費(支払手数料等) | 器具備品として減価償却 |
3-1. 借りるほうが向いているケース
- 移動中や外出先での利用が中心で、オフィスに戻る必要がない
- Web会議が月に数回で、会議室の空きで足りている
- オフィスの契約面積に余裕がなく、1台分の設置スペースも取れない
- 拠点の移転や統合が近く、置いても使う期間が短い
3-2. 自社に置くほうが向いているケース
- 毎日Web会議があり、そのたびに会議室を押さえている
- 電話や話し声で周囲の集中が途切れている
- 採用面接やオンライン商談など、社外に聞かれたくない会話が定期的にある
- 複数人が同じ時間帯に使うため、1人1回いくらの課金では総額が読めない
分岐点の考え方は、時間貸しの累計が本体価格を超えるかどうかで、当社の試算では1年強が目安になりました。前提と計算の詳細は購入かレンタルかの比較に置いています。
4. 自社に置くと決めたら最初に確認する3点
- 天井高。設置場所の有効高さを測ります。梁や配管の下は特に注意が必要です
- 搬入経路。エレベーターの内寸と扉幅、廊下の曲がり角を測ります
- 電源。既存コンセントまでの距離を確認します
この3点でつまずくと、発注後に設置できないことが分かります。測る場所は選定7チェック項目と搬入・設置の確認箇所にまとめました。
5. 費用の目安
1名用の個室型で、本体価格はおおむね40万円台から100万円台に分布しており、WOOBOは605,000円(税込)です。価格差を生むのは素材と遮音性能、そして換気設備と天井の有無です。
本体以外で見落とされやすいのは搬入費と設置場所の原状回復、そして電源工事の要否です。WOOBOは据置型で電気工事が不要なため、この部分は発生しません。総額の内訳は仕様・価格・納期のまとめに、価格帯そのものの考え方は価格帯の解説にまとめています。
6. 法令で数値が決まっている項目
ここは製品カタログにほとんど書かれていない領域です。常時就業させる室には、事務所衛生基準規則が数値で基準を定めています[2]。
| 項目 | 条文の基準 |
|---|---|
| 気積 | 第二条。設備の占める容積等を除き、労働者1人あたり10立方メートル以上 |
| 換気 | 第三条。開口部が床面積の20分の1以上。十分な性能の換気設備があればこの限りではありません |
| 照度 | 第十条。一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上 |
| 温度 | 第五条。18度以上28度以下、相対湿度40〜70パーセントに努めること |
1名用ブースの内寸で10立方メートルを満たすことは、現実には困難です。したがってブースを「常時就業させる室」として使うのか、一時的な利用にとどめるのかを、運用側で決めておく必要があります。この論点は事務所衛生基準規則とワークブースで条文から詳しく扱っています。
7. 消防法上の扱い
天井を閉じると、ブース内が独立した区画になります。その結果、スプリンクラーヘッドや感知器の増設が必要になる場合があります。これは建物側の消防用設備の話で、製品の良し悪しではありません。
消防庁の通知は、一定の条件を満たす可動式ブースについて増設を要しないとする取扱いを整理しています。条件として挙げられているのは、床面積が6㎡以下であることや天井および壁が不燃材料で仕上げられていることなどです[1]。その根拠となる設備の設置規定は、消防法施行令に置かれています[3]。
ただし最終的な判断は所轄の消防署が建物ごとに行います。天井開口型であればそもそも区画が生じないため確認事項は少なくなりますが、手続きが不要になるわけではなく、確認の進め方はワークブースと消防法に書きました。
8. WOOBOが向かないケース
次のいずれかに当てはまる場合、当社の製品は適しません。
- 完全防音が要件のとき。WOOBOは天井開口型のため、密閉型より遮音では不利です
- 即納が必要なとき。受注生産のため納期がかかります
- 予算が本体40万円未満のとき
- 4名以上で同時に使いたいとき。WOOBOは1名用です
遮音をどこまで求めるべきかの考え方は声漏れ・音漏れ対策に、何台必要かの見積もりは必要台数の考え方にあります。
9. WOOBOの基本仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外寸 | 幅1,050 × 奥行1,330 × 高さ1,830 mm |
| 設置面積 | 約1.40㎡(内側の広さ 約0.6畳) |
| 素材 | 国産杉100%の無垢材 |
| 天井 | 開口(標準仕様) |
| 価格 | 605,000円(税込) |
木を選ぶ理由と、選ばないほうがよい場合は木製ワークブースという選択肢に整理しており、実物は東京・豊洲のショールームでご覧いただけます。
10. よくあるご質問
ワークブースの費用はいくらですか。
1名用の個室型であれば、本体価格はおおむね40万円台から100万円台で、WOOBOは605,000円(税込)です。時間貸しで借りる場合は使うたびに費用が発生するため、利用頻度によっては自社に置くほうが総額は安くなります。
個室型ワークブースとは何ですか。
扉と四方の壁で囲まれ、1名が独立して使える形式のワークブースです。天井まで閉じるフルクローズ型と、上部を開けた天井開口型があります。天井の有無で、遮音性能と消防設備の確認事項が変わります。
工事は必要ですか。
WOOBOは据置型のため、電気工事も造作工事も不要です。建物に固定しないため、消防庁の通知でいう「可動式ブース」に該当します。ただしビルによっては什器の搬入そのものに事前申請が必要です。
賃貸オフィスでも置けますか。
置けます。什器として設置し、退去時は搬出するだけです。原状回復の対象になる造作をつくりません。管理会社への搬入申請の要否だけ事前にご確認ください。
移設できますか。
できます。建物に固定していないため、レイアウト変更や移転にあわせて動かせます。分解して搬出し、移転先で再度組み立てる形になります。
何名で使えますか。
WOOBOは1名用のため、複数名で同時に使う想定の製品ではありません。2名以上で使う場合は、台数を増やすか、別形式の製品をご検討ください。
11. 関連ページ
12. 出典
- 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(消防予第211号・令和5年3月30日/消防庁予防課長)
- 事務所衛生基準規則(昭和四十七年労働省令第四十三号)|e-Gov法令検索
- 消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)|e-Gov法令検索
いずれも2026年9月15日に内容を確認していますが、法令および通知は改正されることがあります。消防法の適用可否は所轄の消防署に、労働安全衛生関係の解釈は所轄の労働基準監督署にご確認ください。