木製ワークブースという選択肢|国産杉100%の個室ブースがある理由
ワークブースを検索すると、出てくるのはほとんどがスチールや樹脂の密閉型です。木製のワークブースは選択肢として数が少ないため、「そもそも木製という選択肢があるのか」から調べ始める方が多くいらっしゃいます。
このページでは、木製ワークブースがどういう製品で、どんなときに選ばれ、どんなときに向かないのかを整理します。
木製ワークブースの数が少ない理由
推測ではなく、構造的な理由があります。
- 量産に向かない:木は1本ずつ性質が違うため、金属や樹脂のように完全に均質な部材にできません。WOOBOもすべて受注生産で、納期は1か月前後です
- 不燃材料ではない:木は可燃物です。ブースを完全に囲う設計にすると消防設備の検討が必要になるため、密閉型を前提とする製品では素材の選択肢から外れやすくなります
- 重量と加工のコスト:無垢材は薄く加工できないため、パネル構造の製品と比べて設計の自由度に制約があります
WOOBOはこの制約を「天井を開口式にする」という設計で受けています。囲いきらないことで、木でありながら現実的な設置条件に収めています。
WOOBOの仕様
| 素材 | 国産杉材100%・無垢材 |
|---|---|
| 外寸 | 幅105×奥行133×高さ183cm(設置面積 約1.40㎡) |
| 収容 | 1名 |
| 扉・天井 | 引き戸式/天井開口式(吸音材・防音材・ファン付き天井板はオプション) |
| 設備 | 照明3種(ダウンライト/デスクライト/フットライト)、コンセント1口、USBポート、モバイルスタンド |
| 電気工事 | 不要 |
| 価格 | 605,000円(税込)※送料・組立設置費は別途 |
| 納期 | 1か月前後(受注生産) |
| 耐用 | 丁寧にご利用いただければ10年以上 |
木を選んだ方が挙げる理由
1. 高さ183cmが現実的だった
密閉型ブースの多くは高さ2,300mm級です。既存オフィスの天井高が2,400mm前後だと、搬入経路と設置クリアランスを含めて設置が難しくなります。「入るブースを探していたら木製だった」という順序で選ばれるケースがあります。
2. 香りと手触りが空間の質を変える
国産杉の無垢材には香りがあります。数値化しにくい要素ですが、採用・定着率・企業ブランディングの文脈でオフィスの木質化を検討される企業が増えており、そこでは「機能」ではなく「質」が判断材料になります。
木質化は採用・定着に効くのか(研究データと導入企業の決め手)
3. 消防設備の追加が原則不要だった
WOOBOの標準仕様は天井開口式のため、完全に囲われた状態にはなりません。密閉型を導入する場合と比べ、建物側の消防設備の検討が軽くなるケースがあります(判断は建物ごとに変わりますので、所轄の消防署にご相談ください)。
→ ワークブースと消防法|天井開口式と密閉型で何が変わるか・確認の進め方(消防庁の通知にある「床面積6㎡以下・天井および壁が不燃材料」という免除条件について、WOOBOが該当しない理由もこちらに書いています)
4. サステナビリティの文脈で説明できる
国産木材の利活用は、環境レポートやサステナビリティレポートに記載できる取り組みになります。年間の木材流通量に応じた植樹活動への寄付も行っています。実際に「カーボンニュートラルへの貢献」を決め手として挙げた導入企業もあります。
木製が向かないケース
- 完全防音が要件:WOOBOは防音仕様ですが完全防音ではありません。機密通話や録音環境が目的なら専用の防音室が適しています
- 即納が必要:受注生産のため1か月前後かかります
- 傷や汚れが目立つのを避けたい:木肌は経年変化します。均質さと清掃性を優先するならスチールや樹脂が向いています
- 簡易スプリンクラー標準搭載の密閉型が要件:テナント規約等で指定がある場合は、その要件を満たす製品が適しています
- 予算が本体30万円以下:無垢材の受注生産のため、この価格帯には該当しません
まず確認していただきたい3点
- 設置場所の天井高(2,500mm未満なら高さ183cm級が現実的です)
- 搬入経路(現地組立ですが、部材の搬入経路が必要です。図面をお送りいただければご相談を承ります)
- 実際の音の漏れ方(カタログのdB表記は測定条件が各社で異なるため、実物での確認をおすすめします)
オフィスの木質化とは|何を指し、何が変わるのか
「木質化」は、オフィスの内装や什器に木材を使って空間の質を変える取り組みの総称です。大きく2通りあります。
- 内装の木質化:床・壁・天井を木材で仕上げる方法。面積が大きいぶん印象は変わりますが、工事が必要です
- 什器による木質化:家具やブースなど、動かせるもので木を持ち込む方法。工事なしで導入でき、移設もできます
賃貸オフィスでは後者が選ばれやすくなります。理由は原状回復です。内装造作として木材を入れると退去時に撤去する義務が生じますが、什器であれば撤去対象になりません。木製ワークブースは「工事をせずに木質化する」手段として検討されることがあります。
制度面の後押し
2021年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が改正され、民間の建築物を含めた木材利用の促進が法律の対象になりました(通称:都市の木造化推進法)。改正後の正式名称は脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十六号)で、第六条に事業者の努力が定められています。林野庁は民間企業との「ウッド・チェンジ協定」も進めており、国産木材の利活用は環境報告・サステナビリティレポートに記載しやすい取り組みになっています。
ただし、この法律そのものが購入費用を補助する制度ではありません。費用面の支援は自治体ごとの助成金を個別に確認する必要があります。→ ワークブース導入に使える助成金・補助金の調べ方
「木を入れると生産性が上がる」の扱い方
木質空間についてはリラックス感や快適性に関する研究・調査が複数公表されていますが、対象や条件によって結果が異なり、「木を入れれば生産性が何%上がる」と言い切れる性質のものではありません。社内で説明する際は効果を断定するより、同じ予算で他に何ができたかという代替案比較で示すほうが通りやすい、というのが実務上の感覚です。
国産杉を選んでいる理由
スギは日本の人工林を代表する樹種で、国内で安定して調達できる数少ない無垢材のひとつです。WOOBOが国産杉を使っている理由は3つあります。
- 軽い:無垢材のなかでは比重が小さく、現地組立が現実的な重量に収まります
- やわらかい:手触りと断熱性に効きます。反面、硬い樹種よりキズはつきやすい素材です
- 香りがある:ショールームで実物をご覧になった方が、最も反応される要素です
キズがつきやすい点は弱点でもあります。ただし木肌は経年で色が深くなり、キズも含めて表情になっていきます。均質な状態を保ちたい用途にはスチールや樹脂が向く、という前段の判断軸と同じです。
国産杉はどう調達しているか
「国産杉100%」は産地の話であると同時に、材料の供給が読めるかどうかの話でもあります。2021年に起きたウッドショックでは、輸入木材の価格高騰と納期の長期化が同時に起こり、木を使う製品づくりの計画が立てにくい時期が続きました。
このとき製造元の株式会社KIJINは、国産杉の板材を450枚単位でまとめて仕入れ、自社の工房で受け入れる形をとっています。先に材料を確保しておくことで、板が入らずに製作が止まる事態を避ける狙いです。
国産材を使うことには、輸入材の相場や海上輸送の混乱から距離を置けるという実務的な意味があります。サステナビリティの文脈で語られることの多いテーマですが、ご購入を検討される立場では「必要な時期に届くか」という現実的な論点でもあります。

納期の目安と製作の流れは仕様・価格・納期にまとめています。
木製ブースの経年変化とお手入れ
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 色が濃くなる | 日光が当たる面から進みます。設置時に窓との位置関係を考慮すると変化が均一に近づきます |
| 冬場に木口へ細かい割れ | 乾燥による収縮で、無垢材では通常起こる現象です。加湿で緩和します |
| 表面のキズ | 目立つ場合は補修のご相談を承ります |
| 香りが穏やかになる | 導入直後が最も強く、時間とともに落ち着きます |
| 日常清掃 | 乾拭きが基本です。アルコール類や強い洗剤は表面を傷めます |
木質化を社内で通すときの3つの論点
- 会計処理:什器として資産計上できます。勘定科目と耐用年数は ワークブースの勘定科目と耐用年数 にまとめています
- 原状回復:工事を伴わないため、退去時の撤去費が発生しません。移転先へ持っていく前提でも説明できます
- 防火・消防:天井開口式であること、設置場所の用途・面積によって扱いが変わります。所轄の消防署とビル管理会社への事前確認をおすすめします
よくあるご質問(木製ワークブース)
木製のワークブースは燃えやすくないですか?
木は可燃物ですので、不燃材料の製品と同じ扱いにはなりません。WOOBOは天井を開口式にすることで完全に囲わない設計にしており、これにより建物側の消防設備の検討が軽くなるケースがあります。ただし判断は建物の用途・面積・既存設備によって変わりますので、所轄の消防署にご確認ください。
オフィスの木質化に補助金は使えますか?
ワークブース単体を対象にした国の制度はありませんが、自治体の助成金では対象経費に個室ブースが含まれる制度があります。たとえば東京都のABWオフィス促進助成金は、対象経費に「個室ボックス席」「パーテーション(防音型含む)」を挙げています(助成率2/3・限度額2,000万円)。ただし同助成金は「ABW導入支援」を受けた事業者が対象で、支援の申込期間が別に定められています。年度ごとに条件が変わるため、最新の情報をご確認ください。
賃貸オフィスでも設置できますか?
電気工事が不要で、什器として設置できます。ビルによっては什器の搬入・設置に事前申請が必要な場合がありますので、管理会社へのご確認をおすすめします。
木の香りはどのくらい続きますか?
導入直後が最も強く、時間の経過とともに穏やかになります。閉め切った状態から扉を開けたときに感じられる、という声が多くあります。
木製と密閉型(スチール・樹脂)はどちらが静かですか?
完全に囲う密閉型のほうが遮音では有利です。WOOBOは天井開口式のため完全防音ではありません。一方で密閉型は消防設備の検討や天井高の制約が重くなります。静かさだけでなく、設置条件と合わせて比較してください。
何名で使えますか?
WOOBOは1名用です。設置面積は約1.40㎡(幅105×奥行133cm)です。内側の空間は約0.6畳です。
導入までどれくらいかかりますか?
受注生産のため製作に1か月前後かかります。搬入経路の確認と社内稟議の期間を含めると、2か月前後を見ておくと余裕があります。
移設できますか?
現地組立の製品です。移設をご検討の場合は、分解と再組立の可否・費用を個別にご相談ください。
出典(一次情報)
- 脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十六号)|e-Gov法令検索|2021年の改正で民間建築物を含む木材利用の促進が対象になりました
- ABWオフィス促進助成金|東京都 ABWオフィス促進事業|対象経費に個室ボックス席・パーテーション(防音型含む)が挙げられています
- 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(消防予第211号・令和5年3月30日/消防庁予防課長)|可動式ブースの定義と、消防用設備等の増設を要しないとされる条件が整理されています
いずれも2026年9月14日に内容を確認しています。法令・通知・助成金の要件は改定されます。補助金の適用可否は必ず所管の窓口に、消防法の適用可否は必ず所轄の消防署にご確認ください。
次にご覧いただきたいページ
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