ワークブースに電気工事は必要?電源の取り方と確認点(2026年版)
ワークブースの導入検討で、稟議の直前になって出てくるのが「電気工事は必要なのか」という確認です。工事が必要なら見積りにも工期にも、賃貸なら原状回復にも影響します。
結論から言うと、製品のつくりによって変わります。ここでは工事が必要になる条件、工事不要の製品でも設置前に確認しておきたい点、そして見落とされがちな延長コードの安全までを順に整理します。
1. 工事が必要かどうかは「何に電気を使うか」で決まる
ワークブースで電気を使うのは3つです。どれを本体側でまかなえるかが、工事の要否を分けます。
1-1. 照明
本体に組み込まれていれば、本体の電源から取れます。後付けのデスクライトを想定している場合は、その分のコンセント口が室内に必要です。
1-2. 換気ファン
ここが分かれ目です。完全に囲う密閉型は換気が必須のため、常時稼働するファンを前提に設計されます。常時通電する機器が増えるほど、専用の電源を求められる可能性が上がります。
一方、天井が開いているタイプは室内の空気がそのまま循環するため、常時換気のファンを前提にしなくてよく、本体をコンセントに差すだけで完結させやすい設計にできます。換気の考え方は換気と暑さ対策に整理しています。
1-3. 利用者のPC・モニター
ブース内のコンセントから取ります。ノートPCだけなら小さい消費電力ですが、外部モニターやドッキングステーションを足すと増えます。会議用にモニターを常設する運用なら、この分も見込んでおいてください。
2. 「電気工事不要」でも設置前に確認する4点
工事不要の製品でも、次の4点は事前に見ておいてください。設置当日に「コンセントが遠い」「ブレーカーが落ちる」となるのを防げます。導入前に確認されることが多い項目はよくあるご質問にもまとめています。
| ① コンセントの位置 | 設置場所から何メートル離れているか。延長コードを床に這わせるとつまずきの原因になります |
|---|---|
| ② 回路の余裕 | その回路に何がつながっているか。一般的な事務所の1回路は15A(約1,500W)が目安で、電気ポットや複合機と同じ回路だと落ちやすくなります |
| ③ 延長コードの定格 | 市販の延長コードは合計1,500Wまでの製品が主流です。タコ足配線は避けてください |
| ④ 配線の見え方 | 床の露出配線は見た目と安全の両方で気になります。配線カバーやコード隠しのオプションで解決できます |
3. 延長コードは「定格」と「ほこり」で決まる
ここは軽く扱われがちですが、実際に事故が起きている領域です。製品評価技術基盤機構(NITE)によると、平成24年度から平成28年度の5年間で配線器具の事故は353件、うち延長コード・テーブルタップによる事故は276件ありました[1]。ブースは同じ場所で長時間通電し続けるため、確認しておく価値があります。
3-1. 定格を超えない
NITEは「接続可能な最大消費電力を超えて使用しない」ことを挙げています[1]。ブースの照明・ファンに加えてPCとモニターを同じタップに集めると、想定より早く上限に近づきます。タップに書かれた定格を確認してください。
3-2. トラッキング現象
NITEはトラッキング現象を「付着したほこりや水分により電気の通り道(トラック)が生成され、異常発熱する現象」と説明しています[1]。ブース背面のコンセントは差しっぱなしのまま視界から消えます。掃除の対象から外れやすい場所です。
運用ルールに「四半期に一度、ブース背面のプラグを抜いてほこりを拭く」と入れておくだけで防げます。掲示文例は導入後の運用ルールに用意しています。
3-3. 束ねない・踏まない
余った延長コードを束ねたまま使うと熱がこもります。ブース脚部でコードを踏み続けるのも避けてください。必要な長さの製品を選ぶほうが、長いコードを束ねるより安全です。
4. OAフロアかどうかで配線の自由度が変わる
| OAフロア(二重床) | 床下から電源を立ち上げられるため、設置場所の自由度が高い。分岐にあたる作業は管理会社・電気工事業者に確認してください |
|---|---|
| 通常の床 | 既存コンセントからの引き回しになります。壁際・柱まわりに置くと配線距離が短くなります |
配線距離が短いほど、延長コードの本数も踏まれるリスクも減ります。設置場所を決める段階で電源から逆算すると、あとの手当てが軽くなります。面積と通路幅の目安は設置スペースと通路幅をご覧ください。
5. 複数台を導入する場合の電源計画
1台なら「近くのコンセントに差す」で済みますが、3台を並べると話が変わります。同じ回路に集中させると容量に余裕がなくなるためです。
| 1台 | 既存コンセント1口で足ります。延長コードの定格だけ確認してください |
|---|---|
| 2〜3台 | 同じ回路に集めない。可能なら2つ以上の回路に分けます |
| 4台以上 | コンセント増設(電気工事)を前提に計画してください。分電盤の空き容量から確認します |
台数の決め方そのものはワークブースは何台必要かに整理しています。先に台数を決め、それから電源を確認する順番が手戻りしません。
6. 工事が必要になるケースと、賃貸での注意
次の場合は電気工事が発生します。
- 密閉型で、換気ファン・照明のために専用の電源が求められる
- 設置場所の近くにコンセントがなく、コンセントを増設する必要がある
- 複数台をまとめて設置し、既存回路の容量が足りない
工事が入ると、見積りに工事費が乗るだけでなく工期と立ち会いが発生します。ビルによっては管理会社への申請と、工事可能な時間帯の制約もあります。ブース本体の納期とは別軸で日程を押さえてください。
賃貸オフィスでは、電気工事は建物への造作にあたるため原状回復義務が生じます。移転時に持ち出せない費用になる点も、総額の比較に入れてください。費用の考え方は価格相場と総額、会計処理は勘定科目と耐用年数に整理しています。
7. WOOBOの場合:コンセント1口で完結します
| 電源 | コンセント1口(USBポート付き) |
|---|---|
| 電気工事 | 不要。コンセント1つに差すだけで使用できます |
| 照明 | 3種(ダウンライト/デスクライト/フットライト) |
| 天井 | 開口式。オプションで吸音材・防音材・ファン付き天井板に変更できます |
| 配線の隠し方 | 背面コード隠しボックス(26,400円・税込)をご用意しています |
天井板オプションを付けて囲われた状態に近づける場合は、建物の状況により消防設備の追加確認が必要になることがあります。判断の進め方はワークブースと消防法、仕様の一覧は仕様・価格・納期にまとめています。製品ごとの違いは主要6製品の比較をご覧ください。
消費電力の実測値が稟議に必要な場合は、お問い合わせいただければお答えします。
8. 設置前チェックの手順
- 設置候補の場所を決める
- その場所からいちばん近いコンセントまでの距離を測る
- そのコンセントの回路に、電気ポット・複合機など消費電力の大きい機器がつながっていないか確認する
- 延長コードを使う場合は定格1,500W以上・必要な長さのものを用意し、タコ足を避ける
- 床の配線が動線を横切らない配置にする(横切る場合は配線カバーを使う)
- 設置後の掃除ルールに「ブース背面のプラグのほこりを拭く」を入れる
搬入経路の確認項目は搬入・設置にまとめています。
よくある質問
Q. ワークブースの設置に電気工事は必要ですか。
A. 製品によります。天井が開いているタイプは本体をコンセントに差すだけで完結させやすく、完全に囲う密閉型は換気ファンと照明のために電源工事を求められることがあります。WOOBOはコンセント1口に差すだけで使用でき、電気工事は不要です。
Q. 延長コードで使っても問題ありませんか。
A. 定格(一般的な製品で合計1,500W)の範囲内で、タコ足配線にしなければ使用できます。床を横切る場合は配線カバーでつまずきを防いでください。余ったコードを束ねたまま使うと熱がこもるため、必要な長さの製品を選んでください。
Q. ブレーカーが落ちないか心配です。
A. 一般的な事務所の1回路は15A(約1,500W)が目安です。電気ポットや複合機と同じ回路にブースのコンセントを重ねると落ちやすくなります。別の回路のコンセントを使うか、管理会社にご相談ください。
Q. ブースの電源まわりで気をつける事故はありますか。
A. トラッキング現象です。NITEは「付着したほこりや水分により電気の通り道(トラック)が生成され、異常発熱する現象」と説明しています。ブース背面のプラグは差しっぱなしで視界から消えるため、定期的にほこりを拭く運用ルールを入れてください。
Q. 賃貸オフィスで電気工事をすると、退去時はどうなりますか。
A. 電気工事は建物への造作にあたるため、原状回復義務が生じるのが一般的です。移転時に持ち出せない費用になるため、工事不要の製品と総額で比べることをおすすめします。
Q. 複数台を並べる場合、電源はどうしますか。
A. 2〜3台なら同じ回路に集中させず、可能なら2つ以上の回路に分けてください。4台以上は分電盤の空き容量を確認し、コンセント増設を前提に計画するのが安全です。
Q. 工事が必要になった場合、日程はどれくらい見ておけばよいですか。
A. 工事費に加えて工期と立ち会いが発生し、ビルによっては管理会社への申請と工事可能な時間帯の制約もあります。ブース本体の納期とは別軸で日程を押さえてください。
設置場所の写真や平面図をお送りいただければ、電源の取り回しを含めて可否をお答えします。お問い合わせフォーム、法人・自治体・学校法人のご検討は法人向け窓口からどうぞ。
出典
[1] 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「冬場の安全な暮らしのために〜延長コードやテーブルタップの正しい使い方〜」nite.go.jp(2026年9月2日確認)
※本ページの電気に関する数値(15A・1,500W)は一般的な事務所と市販延長コードの目安です。実際の回路構成は建物により異なるため、増設や分岐を伴う場合は必ず管理会社および電気工事業者にご確認ください。